もう何年も前のことである。
近所の不動産屋のオヤジがアムウェイというマルチ商法にハマっていると聞いた。
不動産業もそこそこ順調だったようなのだが、いい年をしてなぜに変な欲を出したのか周りの人間はその理由を知らない。
ただ服装や生活がやたらと派手になり、毎週のように家に若くて派手な男女を呼んで酒盛りのような事をやっているため、あっという間に近所で噂になってしまっていた。
最初は「あのオッサン、変な薬でもやってんじゃないか?」と言われていたが、若い男女の正体はアムウェイの会員たちだったようだ。
閑静と言えば聞こえがいいが、この辺の古びた住宅街に大勢の若い男女が毎週やってくれば目立つことこの上ない。
その男女も、この辺の住宅地に似つかわしくないような今風というか、人生をエンジョイしてます!っていう軽い感じの人たちだ。
この辺に住んでる若い人は、たいてい土木系の仕事か、ごく普通のサラリーマン、OLさんが多く何か違う人種が、違う土地から侵略に来ているような、そんな風に見えた。
すぐに近所の評判になり、この辺りの飲み屋や町会では毎回のようにその話が出ていた。
アムウェイにハマった不動産屋のオヤジ。
自分は特に何かを売りつけられたことはないが、洗剤、やたらと高級な鍋、浄水器なんかを見せられたり紹介された人もいたらしい。
で、その後も不動産屋のオヤジの派手な生活は続き、「アムウェイってそんな儲かるのか?」と近所の我々は不思議に思っていたのである。
どっかからそんな金が沸いてくるんだ?と。
鍋(フライパンだっけ?)が数万円~10万円くらいするらしいのだ。
そんな鍋でタマゴを焼いたら、まさに目玉が飛び出るというものである。
地味だった不動産屋のオヤジが芸能人顔負けの格好して街を闊歩し、オヤジの家にやってくる若い男女も金のかかりそうな恰好をしていた。
ただ、よーく見るとどうもそんなに儲かっていない、貧乏臭もあったのだが。
自分たちはキラキラしてカッコいいと思っているかもしれないが、どこからか貧乏臭がするのである。
うまく説明はできないが、金持ちはそんなに派手な格好をしないし質素堅実な人が多いからかもしれない。
金持ちは「俺は金を持っている!」なんてアピールしないし、いてもそんなのはニワカ金持ちだ。やがてその金は底をつく。
さて、
不動産屋のオヤジがアムウェイしても近所に直接の迷惑があったわけじゃなく、ただなんとなく「怪しい」ってだけだったからそれ以上問題にはならなかった。
さて、数年が経過してその不動産屋であるが、最近になって潰れてしまった。
不動産屋のオヤジはほぼ夜逃げのような感じで行方を知るものはいない。
聞くところによると、最初は調子良かったらしいが最後のほうは金がスッカラカンで電気や水道も止まっていたらしい。
夜逃げ前の数日は電気もついておらず、不動産屋のオヤジは夜中にペットボトルで公園で水を汲んでいるのも目撃されていた。
不動産屋の事業でコケたのか、それともアムウェイで何か失敗したのか?その理由は誰も知らないのだが、彼は今どんな生活をしているのだろうか。生きていればいいんだけどな。
不動産屋のわりには?、素直で人のいい真面目なおっさんだったと記憶しているし、自分に前の前のアパートを世話してくれたのもここの不動産屋であった。
彼は生粋の悪人ではない。
いったい何が彼を狂わせたのだろうか?
「真面目に不動産屋やってればよかったのに・・・」
近所の連中も皆そういっていた。
そもそも不動産屋という信用商売をやりながら、マルチ商法をやるのは相性が悪すぎる。
お客が事実を知っていれば、社長がマルチ商法している不動産屋にだれが部屋探しに行くというのだ?
イメージが悪すぎるよな。
俺だってそんな不動産屋は嫌だし、ごめん被る。
あのオヤジを知ってる俺ですらそうなのだから、一般の人間からすればそんな不動産屋はもっとリスキーに思うだろう。
あの社長は、そのことをどう考えていたのだろう。また、経営者としてそこまでのリスクを背負ってまで、アムウェイにどんな夢を見ていたのか?
いい年をして・・・
50過ぎで夜逃げじゃ、涙も出ないだろうに。
かわいそうだが、近所の我々は「馬鹿だよなあ・・・」と言うしかないのである。
近所の不動産屋のオヤジがアムウェイというマルチ商法にハマっていると聞いた。
不動産業もそこそこ順調だったようなのだが、いい年をしてなぜに変な欲を出したのか周りの人間はその理由を知らない。
ただ服装や生活がやたらと派手になり、毎週のように家に若くて派手な男女を呼んで酒盛りのような事をやっているため、あっという間に近所で噂になってしまっていた。
最初は「あのオッサン、変な薬でもやってんじゃないか?」と言われていたが、若い男女の正体はアムウェイの会員たちだったようだ。
閑静と言えば聞こえがいいが、この辺の古びた住宅街に大勢の若い男女が毎週やってくれば目立つことこの上ない。
その男女も、この辺の住宅地に似つかわしくないような今風というか、人生をエンジョイしてます!っていう軽い感じの人たちだ。
この辺に住んでる若い人は、たいてい土木系の仕事か、ごく普通のサラリーマン、OLさんが多く何か違う人種が、違う土地から侵略に来ているような、そんな風に見えた。
すぐに近所の評判になり、この辺りの飲み屋や町会では毎回のようにその話が出ていた。
アムウェイにハマった不動産屋のオヤジ。
自分は特に何かを売りつけられたことはないが、洗剤、やたらと高級な鍋、浄水器なんかを見せられたり紹介された人もいたらしい。
で、その後も不動産屋のオヤジの派手な生活は続き、「アムウェイってそんな儲かるのか?」と近所の我々は不思議に思っていたのである。
どっかからそんな金が沸いてくるんだ?と。
鍋(フライパンだっけ?)が数万円~10万円くらいするらしいのだ。
そんな鍋でタマゴを焼いたら、まさに目玉が飛び出るというものである。
地味だった不動産屋のオヤジが芸能人顔負けの格好して街を闊歩し、オヤジの家にやってくる若い男女も金のかかりそうな恰好をしていた。
ただ、よーく見るとどうもそんなに儲かっていない、貧乏臭もあったのだが。
自分たちはキラキラしてカッコいいと思っているかもしれないが、どこからか貧乏臭がするのである。
うまく説明はできないが、金持ちはそんなに派手な格好をしないし質素堅実な人が多いからかもしれない。
金持ちは「俺は金を持っている!」なんてアピールしないし、いてもそんなのはニワカ金持ちだ。やがてその金は底をつく。
さて、
不動産屋のオヤジがアムウェイしても近所に直接の迷惑があったわけじゃなく、ただなんとなく「怪しい」ってだけだったからそれ以上問題にはならなかった。
さて、数年が経過してその不動産屋であるが、最近になって潰れてしまった。
不動産屋のオヤジはほぼ夜逃げのような感じで行方を知るものはいない。
聞くところによると、最初は調子良かったらしいが最後のほうは金がスッカラカンで電気や水道も止まっていたらしい。
夜逃げ前の数日は電気もついておらず、不動産屋のオヤジは夜中にペットボトルで公園で水を汲んでいるのも目撃されていた。
不動産屋の事業でコケたのか、それともアムウェイで何か失敗したのか?その理由は誰も知らないのだが、彼は今どんな生活をしているのだろうか。生きていればいいんだけどな。
不動産屋のわりには?、素直で人のいい真面目なおっさんだったと記憶しているし、自分に前の前のアパートを世話してくれたのもここの不動産屋であった。
彼は生粋の悪人ではない。
いったい何が彼を狂わせたのだろうか?
「真面目に不動産屋やってればよかったのに・・・」
近所の連中も皆そういっていた。
そもそも不動産屋という信用商売をやりながら、マルチ商法をやるのは相性が悪すぎる。
お客が事実を知っていれば、社長がマルチ商法している不動産屋にだれが部屋探しに行くというのだ?
イメージが悪すぎるよな。
俺だってそんな不動産屋は嫌だし、ごめん被る。
あのオヤジを知ってる俺ですらそうなのだから、一般の人間からすればそんな不動産屋はもっとリスキーに思うだろう。
あの社長は、そのことをどう考えていたのだろう。また、経営者としてそこまでのリスクを背負ってまで、アムウェイにどんな夢を見ていたのか?
いい年をして・・・
50過ぎで夜逃げじゃ、涙も出ないだろうに。
かわいそうだが、近所の我々は「馬鹿だよなあ・・・」と言うしかないのである。
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